仕組み:排卵を遅らせる薬です
日本産科婦人科学会の指針は、レボノルゲストレルの働きをこう説明しています。
LHサージ前(卵胞サイズ15mm未満)にLNGが投与されると、LHサージの消失や遅延が起こり、約80%の女性ではその効果が5日以上続く。したがってLNGを排卵前に投与することによって、その後5〜7日間排卵が抑制される
ポイントは「LHサージ前」「排卵前に投与することによって」という条件です。この薬は排卵を先送りすることで、精子と卵子が出会う機会をずらします。
したがって、すでに排卵が起きたあとでは、この仕組みは働きにくいということになります。「意味がない」と言われるのはこのためです。
それでも自己判断で見送らないほうがよい理由
理屈としては上のとおりですが、実際の判断は別です。理由は3つあります。
- 排卵日は自分では正確に分かりません。周期は体調やストレスで簡単にずれます。アプリの予測は実際の排卵日とは一致しません
- 「排卵したはず」の思い込みで見送ると、取り返しがつきません。72時間という制限がある以上、判断を後回しにすると選択肢そのものが消えます
- 判断は医師・薬剤師ができます。最終月経日や周期を伝えれば、状況に応じた説明が受けられます
つまり「排卵後かもしれない」は、服用しない理由ではなく、相談する理由です。
薬局へ行く時間が取れない場合
時間が経っている場合
72時間を超えていても、指針にはこうあります。
72時間を超えてのLNGの使用は、用法・用量の適用外であるが有効である可能性が高い。120時間を超えてもLNGにECの効果があるか否かのデータはない
72〜120時間の範囲は適用外だが可能性は残るとされています。この場合は薬局での購入ではなく、医師の診療を受けることになります。
効かなかった場合の確認
服用の有無にかかわらず、次の月経は必ず確認してください。
- 95%は予定月経日の7日後以内に月経が来ます
- 7日以上遅れる、またはいつもより明らかに軽い場合は、妊娠検査を受けてください
妊娠が判明した場合も、その後の選択肢について相談できる時期は限られています。早く確認することが、選べる幅を広げます。
まとめ
- レボノルゲストレルは排卵を遅らせる薬。排卵後は仕組みが働きにくい
- ただし排卵日は自分では特定できないため、自己判断で見送らない
- 72〜120時間は適用外だが「有効である可能性が高い」とされる
- 結果は次の月経で確認する
この記事は学会指針の記載を整理したものです。個別の判断は医師・薬剤師にご相談ください。
参考にした資料
この記事は公的機関等の公表情報をもとに作成しています。医療行為・診断を行うものではなく、 医師・薬剤師の判断に代わるものではありません。掲載内容は2026年8月21日時点のものです。